エリッククラプトン。ご存知の通り、ギタリストとして半世紀以上長きにわたって活躍している世界的に有名な超ビッグネームアーティストです。
彼は、「Wonderful Tonight」のようにシンガーとしてたくさんの名曲を世に送り出していますが、世に出たのはギタリストとしてであり、それが彼の本質なんだと思います。でも、ギタリストとしてのクラプトンって案外知られていないと思うのです。
そこで、エリッククラプトンファン歴ン十年の管理人が、超私的ではありますが、「これは名演。ぜひ聞いてほしい」という名曲を10曲厳選しyoutubeでご紹介したいと思います。よく知られている曲も出てきますが、マニアぐらいしか知らないような曲も出てきます。ので、一般に言われている代表曲とはちょっと違う部分もあることをご了承ください。
すべての曲が公式にリリースされているアルバムに収録されている曲になります。よろしければお付き合いください。
では順位不動で行きます!
Have You Ever Loved A Woman
個人的に、クラプトンいちの名演は?と聞かれたらこの曲を挙げます。
フレディキングのスローブルースカヴァーで、1970年に発表されたデレク&ザドミノス名義の「レイラ」内においての演奏です。ボーカルもクラプトン。ソロは、デュアンオールマンと2コーラスづつ担当しクラプトンはオブリガートと後半2コーラスの方。
まず言及したいのは、音色の美しさ。この時は、たぶんサンバーストのストラトとミュージックマンのセットだと思いますが、本当に色気があって美しい。ビブラートなんてゾクゾクしますよ。
もうひとつ、ブルースフィーリング溢れるギタープレイそのものでしょうか。速いフレーズとゆったりフレーズ、タメとツッコミ、素晴らしいです。
自分がブルースギターにのめり込みキッカケを作ってくれた曲です。
Forever Man
シングルとしてもスマッシュヒットしたクラプトンの曲ですが、ギターなかなかの名演です。
この曲は1985年「ビハインドザサン」に収録された曲です。クラプトンが作った曲でもカヴァーでもなく、レコード会社からのオファーとしてシングル用に収録された曲です。もっとも、作曲者が「レイラ」「バッドラブ」路線のクラプトンソングを作ったので、なんら違和感なく聴けます。
ソロは短めですが、実にクラプトンらしく、おいしいところがギュっと詰まっている名演です。音色が非常に色気がありますが、何なんでしょうねw
Little Red Rooster
これは他アーティストのライブにゲスト参加したときのプレイです。ストーンズが1991年に発売したライブアルバム「フラッシュポイント」での演奏をご紹介しましょう。
ウィリーディクスンが作曲した、ハウリンウルフの「The Red Rooster」が元歌で、ストーンズは1965年にカヴァー曲として録音し全英シングルチャートNo.1に押し上げています。
クラプトンは別のゲストであるジョンリーフッカーのバックとこの曲にゲスト参加しましたが、それがまたスゴイ。クラプトンのソロが始まると雰囲気が一変しまさにクラプトンワールドになってしまったのです。それが可か否かは議論があるでしょうが、クラプトンが全部持って行ってしまったのは確かなようですw
弾きまくってるクラプトンをご堪能ください。
Good to Me as I Am To You
これは、クラプトンファンでもそれなりにのめり込んでいる方でないと知らないのではないでしょうか。
それもそのはず、他人名義の曲で、その人はアレサフランクリン!1967年「レディソウル」に収録された曲で、アトランティックサウンドと共にアレサのボーカルを盛り立ててます。
ソロではなく専らボーカルのレスポンスとしてオブリを弾いていますが、いやーこれはお見事!「こんなんベテランギタリストのプレイですやん!」と言いたくなります。自分が歌っているわけでもないしソロでもないし、絶対難しいと思うんですけどね、22歳の若造クラプトンは見事にアレサのボーカルに呼応しています。
While My Guitar Gently Weeps
説明いらずのビートルズ、いや、ジョージハリスンのナンバーです。1968年発表の「ホワイトアルバム(通称。正式名は「the beatles」)」からのナンバーです。オブリガートとソローを担当していますが、まさに名演。他人曲ながら、知名度・演奏鑑みればクラプトンの代表曲ですよね。
チョーキングとビブラートでかなりの部分を占めているこのギター、なんという表現力でしょう。曲名をこれ以上ないぐらい体現している演奏に脱帽です。
この時のちょっとしたエピソード知りたい方、「クラプトンの名演-While My Guitar Gently Weeps」でどうぞ。
Five Long Years
1994年に発表されたブルースカバーアルバム「フロムザクレイドル」に収録されたナンバーです。ヤードバーズ時代にもカヴァーしたので再演という形になりますね。原曲は1952年に録音されたエディボイドのヒット曲。
スローブルースナンバーですが、スローブルースにおけるこの当時のクラプトンのアプローチの典型例の曲ですね。かなりアグレッシブで、音が太く音数も多い。曲調が近い1970年の「Have You Ever Loved A Woman」と比べると面白いと思います。
Motherless Children
クラプトンってあまりスライドギターをプレイするイメージがないよと思っている方もいらっしゃるかの知れませんね。でも、実際多くはないですが何曲かは名演を残しています。
クラプトンがドラッグ中毒からの復活第1弾「461オーシャンブルーバード」でのオープニングナンバーで、原曲は1927年にブラインドウィリージョンソンがリリースした「Motherless Child」です。
メロディに原曲の雰囲気を感じられる程度で「なんでこの曲がこうなるんだ」というくらい別歌ですが、そこはアレンジ力というのでしょうか、キャッチ-かつブルージーなスライドプレイを披露しています。
オープンAチューニング(オープンG2フレカポかもしれないけどw)でプレイしていると思うのですが、このポップなセンスも素晴らしいですね。
White Room
クリーム時代の代表曲ですね。「クリームの素晴らしき世界(1968)」に収録されていたナンバーですが、ここで取り上げたいのは、1991年にリリースされたライブアルバム「24ナイツ」に収録されたヴァージョンです。
バックにネイザンイーストやグレッグフィレンゲインズなどの一流セッションマンを従え、クリーム時代とは異なるコンテンポラリーな演奏ですね。この頃のクラプトンのスタイルであるモダンかつ力強い泣きギターがさく裂!
Change The World
クラプトンの曲でもベスト3に入るほどの有名曲ですね。1996年映画「フェノミナン」サウンドトラック収録曲でグラミー賞の最優秀レコード賞・最優秀楽曲賞・最優秀ポップ男性ボーカル賞を受賞。
通常のエレキギターでのプレイではなくアコースティックでのプレイですが、バッチリクラプトン節が聴けます。アコースティック路線はクラプトン最大のヒットアルバムとなった「アンプラグド(1992)」からの流れですが、エレキ同様に素晴らしい演奏を聴かせてくれます。
Crossroads
クラプトンファンの中には、この曲をクラプトンいちの名演に挙げる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
クラプトンがクリーム時代のナンバーで、収録は「クリームの素晴らしき世界(1968)」、ロバートジョンソンが1936~7年にレコーディングした「Crossroad Blues」が元歌です。
原曲はギター1本のデルタブルースですが見事なロックナンバーに仕上げていますね。ボーカルもクラプトンです。
ギターソロは計4コーラスもあり長めのソロですが、特筆したいのはそのリズム感の良さ及びセンス。演ってみるとわかりますが、このギターリフ、この通りリズミカルに弾くのカンタンじゃありません。ソロ内でもリズム感の良さやセンスが光る部分が連発してきます。
おそらく、クラプトンはこういうの狙ってたり練習したりしてきたものじゃないと思うのです、自然に出来ちゃうんだと思います。フレーズそのものに特段惹かれるものはありませんが、ギタープレイ全般はやはり素晴らしいです。
それと、ジャックブルースのベース、すごいですね。もうソロベースみたい。
まとめ
いかがでしたでしょうか。こうしてリストを見てみると、ちょっと偏りがあるようですが、そこは好みということでご了承ください。
彼が出たての頃、それはセンセーショナルでロンドンの街には「Clapton Is God」という落書きがあったそうです。当時にもブルースギターを弾く者はいたと思うのですが、クラプトンほど弾ける者はいなかったという証ということなのでしょう。
もう70代半ばなので、最近はコロナのことでちょっとニュースで見たぐらいで何をしているのかわかりません。が、エリッククラプトンは特別のリズム感と歌心を持ったギタリストだと、あらためて実感しました。